軒先のブルー
Seia

軒先のブルー
冷えた指を
挿し込むポケットがない

生活感のないひと
第一印象から
いまだかわりありません

ココナッツミルクの匂いがする
ラブラドールを先頭に
腕ごとひっぱられる子供をみていた

待ち人
おそくともくる
今年始めに引いたおみくじが
財布の奥で忘れたまま
燃やしてしまおうか
こころから

デニムをさすると
肌との境界線がにじむ
ちいさな炎のなかにみえた
賑やかな景色
ひと吹きの風を連れて

煙草でも
吸えたらよかったのかな
電話しているとき
片方の手をどこに置けばいいのか
わからない

半歩踏みだして
爪先が濡れる


自由詩 軒先のブルー Copyright Seia 2017-01-03 19:40:52
notebook Home