水菜

引かれていくあかい線の上を
滑車がぎしぎしと音をたてて
垂直にのびた紅い柱
あそこはかすんでよくはみえないのよ 天のずっとそのうえ
いくつものあかいたいよう
あかいうみに染めたまち
あそこでぼうっと空をみあげているあの子がいるわ
そらにはしろくうきあがってみえた戦闘機が幾つものあかいたいようを天のずっとそのうえから垂直に落とすの
紅い油は数秒でまわりをそめあげるの
家屋は簡単に紅い油にそまってしまう
けすことなんてできないわ
紅い海
あの子の手を引き駆けていました
紅い海からにげるように


自由詩Copyright 水菜 2017-01-03 19:02:27
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