冬のハリネズミ
末下りょう



濡れネズミは
暗い水に止まる蝶をみてた
クッカクッカと

はりつめてた   針 ひりつか
す かすかな
エクスポーズド 、
濃くかたまる 夜露の
小骨

あ いた うえ 蜥蜴の局面
雲と石の
体色

ネズミの金歯に落ちた雷 の
光と音の隙間の
歯ぎしり
クッカクッカと

最後の夜の唇 が
ら ひら
水の波紋は世界の最初の眼差しになった
クシュン




自由詩 冬のハリネズミ Copyright 末下りょう 2017-01-03 03:30:11
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