二律背反?
寒雪

憶えた日々があって
それが集積場の
ビニール袋に詰められた
ゴミの山を真似て
連なりあって
積み重なっていって
もう僕の
心のどこにも
楽しい思い出を
置いておくスペースが
見つからなくて
気が付いたら
辛い日常だけが
僕の回りに
磁石を砂場に突っ込んだら
どこかしこから
湧いて出てくる砂鉄みたいに
集まってきて
支えきれないっていうのに


心の感じ方
優しさたったりとか
嬉しさだったりとか
悲しさだったりとか
恋しさだったりとか
子供の頃
かくれんぼが得意だった
ゆうじ君ってやつがいてさ
絶対出てくるまで
誰もわかんなかったんだけどさ
いつの間にか
そんな風に
僕の傍からいなくなったんだよ
おかげで
一日の風景が
繰り返し見る
モノクロームのアルバム
もうとっくの昔に
見飽きてしまったっていうのに
終わることを知らない
朝日と夕日のコラボレーション


言い訳
する時間ををくれるなら
苦々しい顔をしながら
喜んで話すけど
それが
僕の言葉が
なくなっていく理由
失われていくのは
脳細胞だけじゃなかった
そんなことを
思い知らされる
酒浸りな冬の夜


自由詩 二律背反? Copyright 寒雪 2017-01-01 23:49:48
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