年末
葉leaf



帰るべき土地などあったのだろうか
求めるべき栄光などあったのだろうか
いま一年が黒い太陽のように
水平線に沈もうとしている
呼び止める声など一つもないのだから
黒い太陽とともに沈んでいけばいい
新しい一年などあっけなく
始まってしまうのだから
この365日に30年を足した
ものすごい負の重量とともに
沈んでしまえばいいのだ
水平線の下には小さな部屋がある
その部屋に私は閉じこもり
小さな机の上で一冊の書物を書く
私だけが解する言語で
私だけに読ませるために
黒い太陽の書物を書く


自由詩 年末 Copyright 葉leaf 2016-12-29 15:38:19
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