久遠
レタス

幼い頃から
ぼくは時計が大好きで
何時も秒針を眺めては
朝日に光る産毛の中に
満足を覚えていた

117の電話を聴いて
今も正確さに
その美しさを享受している

多分ぼくは前世において
時計だったのかもしれない

化石の森の中で
育てられ
許せなかった
くるいは狂気の世界だった

零を発見した
インドの行者はいう
永遠と刹那は表裏一体だと
それはガンジスの砂をすべて数えたからだと言った

時間という観念の本質の究極は
有るようで無いのかもしれない

何故ならば
輪廻を繰り返して
点滅する宇宙に飲み込まれ
極大と微塵の真滅びの秘密を隠され
生きる喜びを胸中に秘められた
仏という作用が運動をしているからかも知れない

永遠の都はこの体に宿っていた


自由詩 久遠 Copyright レタス 2016-12-28 01:08:33
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