月の鵜と新撰組とヤマコや真島君
間村長

月の鵜が他界していた
籐椅子の上で月の鵜は
死に絶えた顔をしては
十二月一日にのしのしと出歩く
神の明らかな公務によって
神から死を賜る
月の鵜が他界すると
新撰組が動き出す
「誠」の字を染め抜いた
隊旗は氷り付き
オリヴィアを聴きながらや
オリジナルラブを歌い出す
ハンマーが振り下ろされた様に
首がぐらりとした金曜日
新撰組らは小川で溺れ死に
新撰組という派閥は無くなる
戸の苦しみやウサギの苦しみも無くなり
谷は無くなり荒いのはいやだが
ヤマコだけは居るし田の中に日は差し
真島君だけがすっ飛ばしていた(イヌワシも飛んでいた)


自由詩 月の鵜と新撰組とヤマコや真島君 Copyright 間村長 2016-12-21 02:41:29
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