その理由、
葉月 祐





花が美しく咲く事に
理由なんて必要無い
  美しいものを見て美しいと
  心が感じただけなのだから


月が綺麗な事に対して
余計な言葉は要らない
  綺麗なものを綺麗と思った
  それだけのことなんだから


わたしが今を生きる事に
いちいち理由は作らない
  『生きている』
  深い理由でなくても良いでしょう


  君が君で在り続けるように
  流されず変わらないように
  冬に咲くひまわりのように
  自分の芯を揺らさずに
  折れてもなお立ち続け
  凛として生きたいだけ
  君のように強く激しく
  唯一の感性を失わずに

わたしはわたしを生き抜いて生きるだけ


時に 花や月や君に憧れながら
常にわたしがわたしを目指してきた事に
明確な理由など無かったし
だからと言って
曖昧な意志で歩む訳でもない


  そんな風に なりたい 生きたい
  特別な理由など要らないでしょう


花も月も 君もわたしも 誰もが
誰かに命じられて 理由を片手に
生まれてきた訳ではないのだから












                   2016/12/09/






自由詩 その理由、 Copyright 葉月 祐 2016-12-11 21:26:56
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