渇き
電光石火

渇きのなかで息をして眠る
渇きのなかに満たされた感情が溢れて
渇き切った体からは涙も出ない
ただ嬉しくて自分をほめて
ただ悲しくて自分を責めて
ずっと繰り返してただ生きていて
呼吸が少し苦しくなって
でも笑って
同じ感情があることは知っていて
でも笑って
別の道がないことも知っていて
でも立ち止まって
考えてみる

考えてみても
答えはすでにわかっていて
渇き切った感情のなかに
いつも衝動だけがあって
この衝動が行動につながっていて

考えてみれば
子どものころから
同じだったのかも知れないし
違っていたのかも知れないけれど
いま立っている場所はきっと
そのころから進んできた居場所
つかんできた居場所
子どものころから同じ場所にいたくなくて
必死で走っていて
でもそこにはいつも場所があって
今もどこかの場所にいて
窮屈そうに楽しそうに
過ごしている場所が
求めていた場所なのかも知れないけれど
今もこうして
渇きのなかで息をして眠る


自由詩 渇き Copyright 電光石火 2016-11-30 01:48:04
notebook Home 戻る 未来