傘
草野春心
ずっと雨がふっている
私たちは 灰色になって
果物のようにすわっている
かたい音をたてて郵便が届く
この場所に生活があるから
バイクがぬるい水を撥ねて
次の家へ向かっていく
時々 あなたへの慕しみが
私の胸につめたい雨をふらせる
けれども 私は傘をささず
空のひかりをみつめている
自由詩
傘
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草野春心
2016-11-19 21:58:23
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春心恋歌