竹林ノ声
ひだかたけし

竹林に佇む己
 夜の静けさ折り畳みながら
竹林に佇む己
 折り畳まれた静けさに脳水押し戻され

ぴくりとも揺れぬ竹林に
 脳水震え不可聴の響き蘇る
脳髄を道具とし血潮の温もりに含まれるもの

[遠い潮騒、夜の浜辺に
 横這いの蟹の群れ
  月明かりに照らされ
   ヌラリ赤々と燃え]

竹林に佇む原初の声
夜陰の静謐に呑み込まれながら
螺旋の木霊 また木霊
無限広がりゆく静謐に
溢れ返る己脳水 支える人は無し


自由詩 竹林ノ声 Copyright ひだかたけし 2016-11-19 02:45:53
notebook Home 戻る