目を開いて
薫子

不確かなものに
願いをかけるのは

目をつぶりながら
道を歩く事に
似ている

人は皆
目をつぶって
街の喧騒の中を
歩かないのに

人生の道は
目をつぶって
歩きだがる

道は目に見えるし
標識があるけれど


大概の人生には
道しるべも
カタチもなく


自分で
形どり

自分が標識に
ならないといけないから


決めることが
怖くて
皆、目を瞑る


失敗を恐れて
目を瞑る


目をつぶってしまうから
思いもかけないところにある
穴に落ちてしまう


失敗は
なんとなく
この
穴に落ちてしまうことに
似てる



目を開けてても
穴には落ちるけど


目を開けてたら
穴からでることも
落ちる前に穴だ!
と、身構えて
落ちることだって出来る



私は
なんども
なんども
穴に落ちたけど


よじ登り…引っかかり

そして

飛びあがったり



そうしながら
しっかりと
目を開けて
歩いてきた


うまくいった分は
自分の努力の分

それだけ


たまたまうまくいったのは
おまけの分

それは自分の力ではないことを
知らなければいけない


その分を自分の力にするには
更に努力して
自分で掴み取るしか
ないのだから


だから、不確かなものに
願いをかけるのは
辞めよう


しっかりと目を開けて
歩いて行こう


自由詩 目を開いて Copyright 薫子 2016-11-16 23:43:55
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