幻の楽園から本当の楽園へ
星丘涙

輝く太陽 煌めく小波 椰子の木陰で寝転ぶ

トロピカルフルーツに囲まれ 常夏を楽しむ

風は南風 潮騒の子守歌が聞こえて来る

星が降る夜に プールで人魚と泳ぐ

一点の曇りもない 憂いも 悲しみも

楽園である 天国である 

心配事などみじんもない




やがて楽園に闇が忍び寄る

憂い 悲しみ 闇に怯え 原色の世界が崩れ落ち

心に傷が生じ 信頼の支配の中に不信の影が生まれ落ちた
 
幸せの青い鳥は飛び去って行った

しばらくは青い鳥を探し回った

来る日も来る日も探し回った

青い鳥は見つからなかった 

あの楽園は幻だった 

本当の楽園を求める旅が始まった

つらく長い旅だった

そして旅も終わろうとしている

旅を終え闇が光に飲まれるのを期待している

最期のカーブらしきものは見え始めている

息を整えゆっくりと走る 慎重に走る

本当の楽園は見え始めている



自由詩 幻の楽園から本当の楽園へ Copyright 星丘涙 2016-11-12 10:29:35
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