大福の中身
藤鈴呼


や~らかい
あんころもちに
例えられる
ふわふわ頬は
幾つまで

ぷにぷにの頬を
つまむ仕草が
可愛らしいけれど
指は案外と
イカツイ

この厳つさは
沢山の苦悩を
握りしめて来た所為だ
本来ならば
潰したい
ところなのだけれど

むにゅっ と
かわいらしくもない角度で
餡子ではない物体が
飛び出して来たら
きっと ビビるから

美微とした
ちょこっとの
優しい存在を求めて
ほおばるのだけれど
いつだって
笑顔 残せるとは
限んないから

頬を張られることのない春を
願うだけ

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自由詩 大福の中身 Copyright 藤鈴呼 2016-11-03 12:24:15
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