その場所
藤鈴呼


強制的に 何かをしなければならない
空間が或る

沢山のポール
敷き詰められたアスファルト

コツコツと響くのは ヒール音
それとも
誰かが バラ撒いた 小銭の音

ジャラ銭と呼んだら 以前 笑われた
一つの事象に対する感覚は 千差万別で
誰かに どう 思われようと 構わない
そう 強行な鋼を張り付けて見ても

良く眺めてみれば 貼り付けた鎧は
糊が濡れれば 
簡単に 剥がれ落ちて しまうのです

ほんの少し 掠れた
ツライ と 豪語するには 古びたような声色に
振り返ってみれば
薄手のマントが ひらひらと 翻るかのよう

そうか 重い存在感が ないからなのね
昔の偉人がプリントされたTシャツならば
幾らも街中を闊歩しているのに

その 半切ればかりが 反抗的だから
三つ折りにするのが面倒で
そのまま入れられる ポチ袋を探す

ポチ
そう 呼ばれれば
白いワンコを 連想するよ

タマ
そう 呼んでみたいけれど
茶のニャンコは 何処かへ 消えたよ

町中が 薄ら笑いを浮かべてるんじゃなくて
今が 夕刻なだけ

もう少し 光差す場所まで 歩ければね
後光が差す色合いに 包まれるかも知れないのに

歯がゆくて
ハシタナクテ
この 右腕を 差し出す

どうか 噛んでみて下さい
あなたの歯型が
活きている 証

ある時はフリマ ある時は就活 
色々なイベントに使われる スペースですから 
たまに スポーツをする場所にも なるのかな

それならば ゴール設定してみよう
この競技は 手でボールを触ったら イケマセンだとか
ドリブルの秒数が 決まっていますだとか
ゴールの代わりに 手カゴなんですとか

色んなルールに縛られたら
縦横無尽に走り出せないから
ねえ 一つだけ 教えて

先ずは脳内燃焼 
それで昇天してしまわぬように 
焦点を合わせることが肝心ですねぇ 

そうしないと 筋肉痛になる前に 
燃焼グッズ痛になって
商店ばかりに 散財してしまう羽目に
なりかねないからさ

このシューズ
足に しっくりと 喰い込んで いますか
余計な一歩は 
踏み出したく ないんです

ちょっと 地団駄踏んで
遊んでみるからさ
ねえ 一つだけ 教えて

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自由詩 その場所 Copyright 藤鈴呼 2016-10-30 01:55:22
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