欠けている
葉月 祐



一枚の皿のふちが
欠けるのに似ていた


どこか満たされずに
水がもれていくような


目を閉じても
あふれるものをとめられない




  欠けている事を
  恥ずかしいとは思わないけれど    さみしい




口を開けば
余計な言葉ばかり飛び出すから


そんなものじゃ
いつまでも満たされない


自分から
欠けていこうとしていたのだと


遠くから届くあなたの声に
気づかされ ハッとする


この夜を包む波紋は
どこへも響かずに




ただここにあるだけ

それだけだった



今 また欠けた



構わない
良いよ









自由詩 欠けている Copyright 葉月 祐 2016-10-30 00:29:32
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