続 秋の蛇口
白島真

あらかじめ充たされた紅葉こうようの場所は
ただ ここに ある
風に吹かれていることにとらわれず
枯れ葉になることにとらわれず
ただ ここに ある

蛇口をひねれば水がでる
そのゆたかな当たり前に
なれきってしまった一つの汚れ
両手を空にかかげ
たしかめるように洗ってみる


あらかじめ充たされた紅葉は
こころのふかいその場所で
ただあるように茂ってる
赤や黄や橙いろにもとらわれず
さわさわ いきいき 茂ってる


目をとじ祈れば
ほら 水源地の紅葉
秋のかなたから
命脈のみずのおとがする


自由詩 続 秋の蛇口 Copyright 白島真 2016-10-27 19:39:00
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