十三夜のナルシスト
星丘涙

少しナルシストに
きっとナルシストに
口づけをかわそう
闇に酔いながら
十三夜の月明かりに揺れながら
今宵 聞こえて来る
懐かしいメロディー

少しナルシストに
かなりナルシストに
踊ろうよ
気取ろうよ
戸惑うよ

十三夜の竹林は風が吹き抜ける
きっと吹き抜ける
七草を摘みながら
笹笛を吹けば
願いが叶うから
きっと夢で見たとおり
幸せになれるから

詩を詠うよ
さりげなく
何気なく
はにかみながら
詩を詠うよ

君の指先はナルシストに伸びている
髪をすり抜けて
愛撫する
エロティックに
清らかに
撫でらかに
僕を包む
夜を包む
十三夜の月光を浴びながら


自由詩 十三夜のナルシスト Copyright 星丘涙 2016-10-13 22:10:04
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