きみのにおい
草野春心



  朝 林檎をかじる
  椅子に掛かった駱駝色の
  ストールから君の匂いがする


  笑いと寂しさが 僕の気持へ
  記憶よりやさしく注がれていく
  ……何故? 魔法のように
  君の匂いがする


  こんなふうにきっと、
  僕はもっと君を好きになる
  あすの朝 ひとつの手が
  曇った窓をあけて
  



自由詩 きみのにおい Copyright 草野春心 2016-10-12 22:47:25
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