連作 朝日がそそぎだした 壱
Dai

朝日がそそぎだした。
僕の薄暗い廊下に等身大の
人形が置かれている。
僕の意識下の欲求の道具として
彼女の原始的な体臭が発散し
僕の着用物と同化している。

胴体と腕
組み立てながら
彼女の四肢を共有しようと試み
隠された蓋を開ける。
「僕」は「彼女」を求めて探り
少し疑念を持って関係の下敷きとして活用。

(歯車仕掛けの時計がこわれた)
(玄関扉の金属部が雨の反射光の中にある)

二階に通ずる木製の階段が
抽象として描かれた虚空のなかに溶け出している。
昨夜まで、二階の暗闇から
距離をおいて自己を浮き彫りにしていた。

彼女の春画、、、、這い出す僕の欲望
壁に掛けた「加納光於」の版画とモデルの娘
光が薔薇の赤色を吸収して吐き出している。

(投げ売りされる僕の+++++)









自由詩 連作 朝日がそそぎだした 壱 Copyright Dai 2016-10-08 15:05:35
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