あめ玉
中原みのり

 ぼくののどにつっかえた
 ぼく自作のあめ玉は
 いつかだ液にとかされて
 ぼくにかえってゆくのだろうか

 しっかりのどにいすわって
 とことんぼくをあえがせて
 おわりなく苦しませるくせに
 ぎりぎり呼吸はできちゃって
 これじゃあ、楽にもなれやしない

 ぼく自作のあめ玉は
 薄鈍色のあめ玉は
 ぼくがかけたのろい
 ぼくだけののろい


自由詩 あめ玉 Copyright 中原みのり 2016-10-08 00:13:48
notebook Home 戻る  過去 未来