「ミネルヴァとヤヌス」
ハァモニィベル
見つめていた風が
いつのまにか
ぼく の頬に触れた
やがて
このまま 真っ直ぐ 下にある谷に
ぼく は抱かれるだろう
巨きな魚が蝶を呑むように
腹の中に
ぼく は消えていく
※
誤謬のない厳密な計算の連鎖が保証された筈のゲーム
その盤外へ 一個
その骰子だけ
なぜか転がり 落ちてゆく
真っ暗な 穴 のなかに
※
午前九時半。階段を昇って行く
どこへ続いているのだろう?
ぼく はお茶を一杯飲みたいと思った。…が、
此処からは
薔薇の花びらだけ しか
食べてはいけない
と 言われた。
※
「罪も二度目からは
習慣になる」と謂う