allahoakbar
maitreyadasa

女は泣きながら言った。

何で私と同じように愛してくれないの?

何で私が愛するように愛してくれないの?

情熱では、どんな男にも引けを取らないくらいハートは燃えているのに。

男ってなんで普通に愛せないの?

やっぱり男の人にはプライドがありますからね。・・・

彼女は焼け付くような熱情と共にため息をついた。



昔、私が美少年だったころカルト宗教のお姉さんにも同じことを言われた。

無理やり勧誘しようとするお姉さんに論争をしかけた。

彼女は、男のこだねぇ、と。悲しそうにため息をついた。

私も、彼女を愛したかったのに。

彼女だって権力を握り締めてお高く留まってないで降りてきてくれればよかった。


愛とは処女であり、熱情である。


一夜限りの娼館の女が、わたしのかわいさをみて、

私を引き止めようとしたことがあった。

その日は、射精しなかったので彼女は悲しそうだった。

私はよく女にいわれる。

セックスにあまり興味ないのかしら。と。

私が興味あるのは、エロスであり情念であり、汚辱であり穢れなのだ。

偉大なるチンギスハンの一族は言葉を持っていなかったらしい。

言葉とは弱者が弁明のために発明したのだ。

あのエロスの瞬間に言葉はない。

肉体の絡みつき、圧倒的暴力、強姦・・・・。

こ と ば   じゃ    な       い
ppp molto smorzando

高笑いして唐辛子のような真紅の口をあけるカーリー

男たちの頭を切り落として数珠にした母。

精神は卑猥だ! 肉体は純潔だ。


ドラッグと麻薬的な旋律とアルコールとともに、踊り狂うカーリー

ヴィーナスの肢体に剣を手放したマルスのごとく・・・・

鋼鉄のリズム!!!!

女神の腰の金属と足の鈴はたえなる音を響かせる。

狂喜の愛。恍惚のダンス

生命だ! 生命だ! 生命だ!


成功のエクスタシーの凶暴で野獣的な顔。


彼女は言った。


あなたの顔が、時々、梵天のように清澄で悟っているようにみえるの。

白檀の匂いがするようにみえるの。人格が消えているのよ。多分、イスラム教徒は本当にムハンマドに顔がないように見えたのよ。

じ ん か く  が・・・ き   え      る・・・

あなたの残酷さが好き!


彼の顔はどこか光り輝いていた。


彼は言った。


他者の願いに奉仕するひとは道をみいだす。

自己の意志を全体に服従させよ。

彼女の目は本当に剃刀のように鋭くて洞察にみちていた。


彼女は風 彼は虚空。

彼女は紫 彼は赤

彼女は愛 彼は力

彼女は美 私は知

愛の指輪を彼女の指にはめた。




永遠性の象徴である円。



もう真実はないなんて幼稚なこと言う歳じゃなくなったから。


彼女は言った。


それで私のこと愛してるの? 教えてよ!ねぇ!


私は笑いながらいった。


まあ。つまりすきってことさ。! ははは!


彼女は言った。


愛してるより好きのほうがあなたらしいわ。ふふ!


自由詩 allahoakbar Copyright maitreyadasa 2016-09-29 18:19:46
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