オイタル

私たちは望んだ
林檎の木のやせた小さな実を
うなだれて実をこぼす廃れた窓辺を
細い水のはねる汚れた低い蛇口を

あの庭から私たちは始まった
私たちは紫の実をつける香りのよい果物を欲しがった
私たちは温かな腰の周りに耳をそばだてた
黄色いひよこが訪れ
白い木菟が訪れ
灰色の猫が訪れた

熱が私たちを蝕み
風が私たちを打ちすえ
声が私たちを脅かす
すべてが庭で生まれた
石が石を割った
潰えるものは庭で潰えた

私たちは歩く もう一度
林檎の木の褒められない小さな実を
足のない虫たちの横切る小さな窓を
かぼちゃの葉と蔓に隠れた
ぬるく細い蛇口を
私たちは


自由詩Copyright オイタル 2016-09-26 06:49:45
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