あいづち
るるりら
つかれていたのかもしれません。
夏のさなかに
雪をかぶった連峰をみました
海辺を高速バスで走っているときでした
火事の中で氷を幻視するかのように
見たのです
うたたねの山々は
死のように 険しく
詩のような麓の町々もなく
ふしぎなことに
谷は 氷でもなく水でもない白い湖のようなものを
抱えていました
せきえい
かも
しれません
幼い頃
せきえい
を
知るまでは ダイヤだと思っていたものです
ダイヤモンドのようには
光を返さず
水のようには 揺らがず
せきえいの湖は 黙っておりました
そして わたしに うなづいてくれたのです
なにも ない ね おまえは混沌としていて しかも
なにも ない ね 。と
*
先日、誤字指摘をくださった方々へ
ありがとうございました。