ラプラス
ガト

夜明けの港でラプラスを待った

単なるゲームだ
俺たちはアホだ

だけどここ何年かの間に
こんなに純粋な気持ちでアホになったことあったろうか

潮の匂いのする風に向かって
俺たちはまっすぐ沖を見る
夜の気配に忘れていた自由を嗅いだ

年をとっても失わないものはある

見たこともない巨大な竜がゆったりと
海を泳いでくる夢を

多分そこにいる全員で見た

それは人生でそんなに幾つもはない
素晴らしい夏の夜だった


自由詩 ラプラス Copyright ガト 2016-08-29 02:01:22
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