心の空
尾瀬の色

人間の空は 何かぶつぶつ言っている

本当は 黙っていたいのかもしれない

心の背中が ちょっとかゆいのかもしれない

もう たまんなくなって

掌を広げてみたんじゃないだろうか

言葉は 風景によく混じるから 綺麗な水彩なんじゃないだろうか


レーニンなんて 本当は樵として死にたかったんじゃないだろうか

樹木に内緒で 呼ばれていたんじゃないだろうか

そんなのちょっと 裏痒いから

ぽんと背中を押されて 止まらなくなっちゃたんじゃないか

自分のことなんて本当は知らなかったから 後で驚いたんじゃないだろうか

黙って 心の言葉と 話していたかったんじゃないのか


命はもっと 見えないから そっと触れたいんじゃないだろうか

見えたような気がして 詩なんかかいているんじゃないだろうか

でも 命はここにあるから 重ねたいんじゃないだろうか

触れ合えたら本当は 疑問なんてそこにはないんじゃないだろうか

知らない人なんて ひとりもいないんじゃないだろうか


自由詩 心の空 Copyright 尾瀬の色 2016-08-22 22:57:30
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