始発と交わる地平線
阿ト理恵
で、ゆれる会話。白線の内側を歩くように危なっかしいきみのきゅんとわたしのきゅんの間にある水域が、おわりはじまりとめどなくとどめなくどよめきめくりあがる白い爆弾となって投下される前に始発の黄色い電車にきみをむりやり乗せて空とぶうさぎに月の裏側まで連行させようと、わたしは企んだ。きみは、わたしに夏をくれたけど、きみの嫌いがわたしの好きで、わたしの好きがきみの嫌い。それでもなめらかに時計の針がまわり続けていく。おはよう、やっぱり、わたしたち、うちにかえろう、いっしょに、ごはん食べよう。わたしは白いごはん、きみはバクダンごはん。