不眠症
つどい

昼間の灼熱を細くたたむカーテン
ひだのすき間から
生々しく、風
湿気をはらんで
消え入るような声で鳴く

こうこう、こうこうと
或いはそれもまた夢だったのかもしれない

窓ガラスに埋め込まれたみたいな
夜の枚数をかぞえていたら
とろりと眠れるのかしら
脳みそまで包んでくれるのかしら
それにしても
今日だって昨日と同じくらい綺麗な夜だ

いつも
誰かの声を拾おうとしている
探しているのだと思う
なんにも興味がないような顔を
切り絵みたいに貼り付けながら
本当はとても、とても欲している

(かなしい)


自由詩 不眠症 Copyright つどい 2016-07-22 22:27:42
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