偏頭痛がやって来る
坂本瞳子

今日も偏頭痛に襲われる
感覚を覚えた
そろそろやって来る
足の裏が冷たい
脹脛が浮腫む
指先がむず痒い
目蓋が重い

二の腕を温め
肩を温め
温かい飲み物を飲み
ブランケットを被り
これでやっとなんとか
我慢していられる

こうやって
付き合っていくしか
ないらしい
死神に気に入られたようだ
生命が脅かされないだけましか

こうしてこのまま
不快な居心地の悪さを抱えて
数時間を過ごす
なんの解決策も見いだせず
ただこうして耐えるしかない

いっそのこと
なにもかもが終わってしまえばいいのに
そう容易く
許してはくれないようだ

明日もきっと来るだろう
偏頭痛が
大鎌を高く掲げて
その刃をきらめかせ
我が血を求めることはなく


自由詩 偏頭痛がやって来る Copyright 坂本瞳子 2016-07-17 02:00:12
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