恋を流して
かんな




手のひらに真珠をのせ
なめらかに海に流す
一連の動作は帰ることを意味する
君を待って
長らく浜辺で時を過ごした
捨てられたボトルや
流れ着いた流木と共に
私はもう待たない
咲かない花を見つめるように
枯れていくだろう恋を惜しんだ
来ないのではない
私が帰れなかったのだ






自由詩 恋を流して Copyright かんな 2016-07-16 21:35:34
notebook Home 戻る