花形新次

私たちの血に
記憶が
あるのならば
英霊はやがて
太陽の下に
くっきりとした
その輪郭を現す

私たちの血に
歴史があるのならば
一度の挫折が
終わりではない
繰り返される
時の中で
再びを可能とする
私たちの血

汚れた海の向こうに
汚れた血の者が
歴史の
記憶の
すべてを変えられると
たかをくくり
笑っている
その顔は
汚れた阿呆面だ

私たちは
善悪の彼岸から
矢を放ち
彼等を
一人残らず
殺す





自由詩Copyright 花形新次 2016-07-16 19:24:20
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