過ぎゆく時刻の中で
坂本瞳子

蝋燭の炎が消えてしまう
その前に自らの息で吹き消してしまおう

夜の静寂
音も立てずにそっと
光をこの世から消し去ろう

真実はきっと見えるから
意外に近くにあるかもしれない
もぎ取ってしまえ
手に触れさえするならば

今この時は
二度と戻って来ないから


自由詩 過ぎゆく時刻の中で Copyright 坂本瞳子 2016-07-16 01:28:37
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