ぼくらは起きることを待っている偶然そのもの　　　　by Thom e Yorke

サジ加減まちがえないでね甘すぎるコーヒーなんて甘いだけだわ


狭すぎる棺桶だから埋められるぼくらしっかり抱き合っていよう


デッドエンドが黄色い薔薇に囲まれて幼い過失に嫉妬している


お茶の葉の山にふたりで寝転んで夕焼けなんか見ていたいよね


駅長とカナリヤだけが残された谷間の駅に降り立つ少女


燃え上がる空気のように連鎖する移ろいやすい美とはためいき


寄り添って花壇に咲いた花を見る少年少女の足元に蛇


シルクハットから飛び出すきみ以外のすべての思い出を燃やす


齧るときひろがる酸味に酔い痴れて知らない花の名前を呼んだ


林檎狩りしている少女の手のひらの覚えていること忘れていること


ミツバチのささやきほどのシグナルを見落としているぼくもあなたも


信じてる世界がここにあることをきみとどこかで出会えることを