まあまあかーちゃん
朝焼彩茜色

スーパーカップを平らげて
もう一個食べられそうな
 そんな午後

二歳児がゆくどこまでも
 小石を拾いながら

もう何に怒っていたかも忘れて
落ち着くための珈琲も忘れて
時にバンボを投げたり
カーテンレールを壊してみたり
旦那の母に意味の分からない文句のメールを作ってみたり
お風呂で心が動かせず バスソルトの浮かぶ湖で頭皮を揉んで
髪は洗ったつもりでエネルギーを蓄えて
届かない項の下に育児疲れの「垢」がたまる
まあそんなもんふつうのこと

二歳児がブーブー言っている
 車が大好きで外に出れば駐車場へ向かう
 無駄にドライブをしながらバスに向かって
「ばっぶー」とシャウトする

大きくなってイヤイヤ期ってやつも空気みたいに馴染んで
親も人間で怒鳴ってしまって寝顔で泣いて
もう何に怒っていたのかも思い出せず
自分の時間の珈琲ノンカフェインを注ぎ

 まあまあかーちゃんってきこえてくる
 まあまあかーちゃん おにいちゃんをそんなにおこらないでやって
 
 パチン パチンってお腹が云っている

 まあまあかーちゃん ごにょごにょパチーン


自由詩 まあまあかーちゃん Copyright 朝焼彩茜色 2016-06-29 16:21:53
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