バス
葉leaf


手を伸ばす
その先に誰もいなくて
その先に何もなくても
手を伸ばす
朝陽が至るところに集まっている
密度を増すことで却って希釈されていく
暗示と黙示ばかりがにぎやかで
記号が融け落ちてしまっている
風が音を産み
産んだ音と共にどこまでも連なる
柔らかく区切られた道を
慌ただしく走っていく
私を愛する者は朝の闇
私を恋する者は朝の矩形
花壇の花の色が醜い
雨に打たれたせいだろう
太陽が川面にぶちまけられている
熱い


自由詩 バス Copyright 葉leaf 2016-06-28 04:14:43
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