梥本 サハラ


毒を食らったのかも知れない。
腸の奥渦巻く何かを
そっとへその奥の奥のほうへ
押し込めた。

その渦巻く何かは時折
轟々と音を立てながら私の
腹の中から出ようとし
上っ面の涙を流しては
喉を熱く焼く、焼く

地獄の業火とはこの事かと
焼けただれてゆく喉元と
昼に食べたトマトを踏み潰し
迫り出された種がヒールにかかろうとも
私は喉を焼く、焼く

毒を食らったのかも知れない。
腸の中から私はおそらく叫んでいたのだ。

しかしそれももうおしまいです。
この喉元にも胃の先端にも
何もかもに蓋をつけて
私をへその奥の奥のほうへ押し込めて
地獄の業火で焼くのです。

それではみなさま、よい1日を。



自由詩Copyright 梥本 サハラ 2016-06-24 00:40:22
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