運命
坂本瞳子

転げ落ちていく
硝子の欠片が
そこらじゅうを傷つける

切り傷のような皹を残し
赤い血を滴らせ
忌み嫌われる

それでも転がり続け
堕ちてゆく
救いの手は差し伸べられず

羽をもがれた天使のように
落下の果てに
変身を遂げる

自ずから望もうと
望むまいと
天に抗うことなかれ


自由詩 運命 Copyright 坂本瞳子 2016-06-13 00:44:26
notebook Home 戻る  過去 未来