お好み焼き
藤鈴呼

が食べたいとオーダーされた
時刻は週末
ピンポイントで柿が大量に届くから
剝き剝きしながら眺めてた
ムキムキの筋肉
ならば 滅法 強いのだろうけれども
案外 そうでもない

結婚したなら あなたと私はゆちゃくちゃくだよって
口にチャックをせぬまま あなたが叫ぶから
ソースの次に マヨまでぶっ飛んで
私まで ぶっ飛んで しまったじゃない

ちょっと固かったタネ
ネタって言うと 芸人じゃあないんですからと
揶揄されますから口ごもる

あのね スライスチーズがあるんだけど
投入しようか?
こないだ 豆乳鍋で大失敗したことなんて
すっかり忘れちゃってる
ゆるいのはゴムぱんとジャムぱんと脳味噌の中身
時間まで ゆるゆるじゃあ 致し方ありませんと溜息つけば
ねっとりとした青海苔が 早く食べてと急かします

酸化した油の舐める黒鉄板が いつもよりも恐ろしくて
目を閉じた
タイプじゃないのに タイプしてしまうの
いつまでも ユビが乗っかったまま
このキーボードから 離れないから
今度はどんな曲でも奏でようかって
考える暇さえなくなって
こんな風に 眠れなく なっちゃうんだわ

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自由詩 お好み焼き Copyright 藤鈴呼 2016-06-05 21:38:11
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