からだのもちぐされ
あおば

          160531

静かに佇む沼のほとり
ミシシッピーアカミミガメの大群が
小島を占拠している
在来種をあっという間に駆逐してしまったのだろうか
海外からの強力な種に手も足も出ない様子に
錦鯉は少しだけ口惜しそうに尾を振って
小島に擬した岩に水しぶきをかけた
は虫類が我が物顔に日光浴しているのが
我慢できないのだろうか
コウノトリを小型にしたような美しい鳥が
水面を注視している
あっという間に飛び込むように羽ばたいて
その美しい姿態を見せびらかす
佇むものたちは度肝を抜かれ
一斉にそちらに顔を向けるが
時は既に遅く
なにかが捕らえられ
なにかが犠牲となったことだけが分かるだけだった
岩の上に居れば関係ないというように日光浴している
我らの上には時たま五色の光が降り注ぐ
二色不足するのはなぜだろうかと不思議に思うものは
何処にも居ないはずなのだが
そのゾウガメにも似た岩が不意に動き出したかのような
微かな騒動が繰り広げられ
不意に突き落とされて泳ぎ出すものも居て
だれもが初夏の光に弄ばれているのだと分かる
黄色の花が岸辺に一斉に咲き出していて
鳥たちの姿を隠していた


初出「即興ゴルコンダ(仮)」
  http://golconda.bbs.fc2.com/
  タイトルは、たかはさん



自由詩 からだのもちぐされ Copyright あおば 2016-05-31 22:26:56
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