望郷(九)
信天翁

   優柔不断に打ち過ぎた
卯月 皐月が素通りとなって
   セイロンサファイアの
     鳴神月を出迎えた
寒がりな卒寿のおひとりさま

     広場の木立ちには
   回遊の子雀たちが──
    街外れの雑木林には
  周遊のアシブト鴉が──
          そして
      土曜 日曜には
黄ない叫喚の渦潮が原っぱで
  和やかにひろがっている




自由詩 望郷(九) Copyright 信天翁 2016-05-31 11:41:29
notebook Home 戻る  過去 未来