破片、丸くなるまで
青の群れ

かわいいという言葉に
すべてを込めて

足の指の間に入った砂
刺さる貝殻の破片
血が出ない程度の痛み

靴からこぼれ落ちてくる
あなたはいつのこと思い出すの
海とかうってつけの題材でしょ
エモーショナルな感じで
夕焼けとか、ほら

いかにも創作意欲
振り返って踏切の音
舟とともに光に消えてく

海沿いを走る電車があるでしょ
離れた港を出港した船の音と
人間の音

知らない海さえ
知っている匂いがする
しみついた生活の匂い
嫌いだった

インスタントカメラのフィルムを巻く音
浮かれて海に足を浸して
まだすこしだけ冷たい季節のこと

はいはいサブカル
わかっていても

綺麗だねって言ったシーグラス
水の中に放り投げた
もっと磨かれて、丸くなって
元はゴミだったなんて

あなたのこと好きよ
すべての人間どもに聞こえるように叫んだっていいよ


自由詩 破片、丸くなるまで Copyright 青の群れ 2016-05-23 11:01:03
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