安住の地などない
花形新次

きっつきつのジーパンの中の
ポコチンと同じで
すべて脱ぎ捨てれば楽になる
なんてことはない
そこには
突き刺さるような
他人の視線があるし
「ガハ、短小で包茎じゃん」
という嘲りの声がある

仮面を着ければ
一時は他人になれて
開放されるかも知れないが
やがて仮面は皮膚に食い込み
外したくても外せなくなる
終いには自分でも
仮面か素面か分からなくなって
自分のポコチンが短小、包茎であることを
改めて認識させられるのだ

要は
安住の地なんて
何処にもないってことを
肝に命じておくがいい


自由詩 安住の地などない Copyright 花形新次 2016-05-11 19:01:21
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