VISION.06
ひだかたけし

ターコイズブルーの湖、三つ
ねっとりと動かず
こんもり黒々とした山々の頂きに
ぽっかり ひっそり
横たわり広がり在る

(空は妙に白く透き通り

     皮膜の裏光り)

湖は波一つ立てず
流動を束の間止め
こちらを眼差す気配

(残響 木霊 無音

  裏光る空から

    渦巻き降って)

「湖に見られている」
という異様な意識は、
鮮明に覚醒して在り
なのに私はいない
何処にも居ない


ターコイズブルーの湖、三つ
ねっとりと動かず
こんもり黒々とした山々の頂きに
ぽっかり ひっそり
横たわり裏光り在る


見られ観る意識に
時流の未来からの郷愁
忽然と到来し 憧憬の声響く


自由詩 VISION.06 Copyright ひだかたけし 2016-05-08 11:56:45
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