ぴぃひょろろ
藤鈴呼

綺麗な泣き方ではなかったかも知れない
鼻水も流れたし ズルズルと音も五月蠅かった
それでも 気持ちの半分だけは
伝わったのではないかと 自負した
半欠の月が 怪しく 笑ってた
反抗心を残した 少年のような 表情で

次々と 返事をしていく
誰かは あの娘は ハキハキしているねと 褒める
誰かは 返事ばかりは 立派なのにと 揶揄する
やゆゆ やゆやゆ やゆゆえを
ちょっとの 言葉遊びが
人の心を 互い違いに するのです

ピィ~ッ ヒョロロロロ
もやしっ子の ようだねぇ
知ってるかい? くるびょうのこと
ギザギザの図体した 手袋についている
銀色のヤツじゃあないぜ
日光浴が 必要なんだ
痩せた男が そう云ったんだ

定められた運命なぞ 
一切 信じなくったって イイ
ただ 一日 一度だけは
外に 出なさいと
そうしないと O脚になって しまうよって
カクカクと 足を震わせて
膝が笑った、って 呟いたんだ

多分 あの二羽は
こないだ 庭で 遊んでいた
恋人達だろう
いや 友達なんだろう
そうじゃない 家族なんだ
かぞく なんだよ

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自由詩 ぴぃひょろろ Copyright 藤鈴呼 2016-05-06 00:23:19
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