白い昼
梟 由香里

ひとりぼっちの部屋の向こう
空は高くて雲がない
見上げる天井(うえ)は蒼く透け
耳鳴り満ちる静謐や

投げ出された蔓薔薇の髪
薄く重い空気が肺を撫で
水揚げされた金魚の気持ちを思う

ひとりぼっちの部屋の向こう
空は高くて雲がない
透けた彼方に舞う鳥や

薄く溢れる唇の
草笛は底深くに細やか
打ち捨てられた白い昼に溶ける


自由詩 白い昼 Copyright 梟 由香里 2016-05-01 17:46:25
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