感触
ひだかたけし

何かに包まれているこの感触
   背中から気泡の溜まり
  次第に全身が温かく
 ジワジワと熱く
そう、
背後から背後から
 くんにゃりと曲がり溶けながら
  流れ込んで来るコレハナニ?


〈冷え切った鉄塊、

真紅の窪みを穿ち

剥き出しのコンクリート壁に

亀裂走らせ嵌入する

静謐の夜を震わせ震わせ〉


内側で何かが触手を伸ばし絡ませ合い 粘性の未定形な音打ち響かせ造形しているこの感触
  背中に熱流の溜まり
 次第に全身から汗噴き出し
メラメラと燃え
もう、
前後左右から
 すんなりと透明に溶けながら
  浸透し思考し始めるコレハナニ?


自由詩 感触 Copyright ひだかたけし 2016-05-01 12:19:51
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