分裂
ひだかたけし

夜の窪みに熱、流し込む
冷える体に脳髄羽交い締めにされ
それでも何とか意識保ち
熱流し込む、夜の窪みに。

(幻の子供たち、
布団の周りを飛び跳ね

私の愛情は何処にも繋がらず
生きる力が枯渇していく)

アスファルト割り紫の花咲かせる野草
水銀灯に足下遥か底光る無機質な虚無
夕陽燃え上がり橙に染まる白壁の陶酔
遠い地平の唸りと無表情な街のザワメキ
大河に崩落していく氷河は何億年もの時間を経て


夜の窪みに熱、流し込む
青白い肉に脳髄凍結の激痛に曝され
遠退きかける意識未だ保ち
熱流し込む、この夜の窪みに。


自由詩 分裂 Copyright ひだかたけし 2016-04-30 13:10:11
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