サティの流れる朝
レタス

二日酔いに覚めた朝
窓際の水槽が透明度をあげ
虹色の群れは餌を待っている

ぼくは重い肢体をもたげ
パラリ パラパラと顆粒状の餌を撒くと
タナゴたちの歓びは丸くて黒い瞳を輝かせていた

やや不満顔の妻が
あなた!
スープが冷えてしまうから
早く召し上がれ!
という

ポタージュスープはどうでも良いのだけれど
トーストなどはどうでも良いのだけれど
目玉焼きなどはどうでも良いのだけれど
レタスとトマトのサラダなどはどうでも良いのだけれど

朝はアイス珈琲に始まるのが一番だ
一息吐いて
窓を開けると
小鳥たちのさえずりが
朝の空気を満たしていた

寝坊した朝は釣りにも行けない
椅子に肘を預け
仕方がないので気怠いピアノを聴いた

今朝の占いは
静かに過ごせ
と出た

休日の朝は苦手だ
焦燥と懈怠の狭間に困惑し
妻の愚痴を聴かねばならないのだ









自由詩 サティの流れる朝 Copyright レタス 2016-04-29 22:57:16
notebook Home