命の疾駆
ひだかたけし

青い空、激しく吹く風に森は揺れ
緑に照り輝く光の中を
子供が一人、走り回る
嬌声を上げ一心不乱、
お手上げ顔の母親を中心に
笑顔弾けてグルグルグルグル
生きている歓喜が円を描く

銀の小蠅に層成す幹
樹間から覗く空の青、
みんなポカンと子供を見守る

子供の命の爆発はいつまで経っても止むことなく
やがて真ん中の母親は年老い溶けて居なくなる
それでも命の疾駆は終わることなく
大地に根付き風を呼びさらにさらに大きく広がる

この闇の界に射し込む、一筋の光彩とナル時まで。


自由詩 命の疾駆 Copyright ひだかたけし 2016-04-29 12:58:38
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